タクシー運転手に必要な資格

一般のタクシー会社で乗務するには、運転する車両に対応した第二種運転免許に加え、地域に応じた講習・試験・運転者登録などの手続きが必要です。普通二種免許の取得と、タクシー運転者として乗務するための準備は、分けて理解しましょう。

地理科目の試験は2024年2月29日に廃止されました。ただし、すべての試験や講習がなくなったわけではありません。東京都の特別区・武蔵野市・三鷹市では、法令・安全・接遇に関する試験が引き続き実施されています。

タクシー運転手に必要な資格と乗務までの準備

普通二種免許とは

普通二種免許は、普通自動車を使う旅客運送のための第二種運転免許です。一般的なタクシー・ハイヤーへの就職では、この普通二種免許が取得の対象になります。「二種免許」は第二種免許の総称であり、大型二種などの種類もあります。

第一種免許を持っているだけでは、一般のタクシー乗務に必要な条件を満たしません。免許の種類、運転できる車両、AT限定などの条件が、応募先の車両に対応しているかを確認してください。日本版ライドシェアなどは制度が異なり、本記事では一般のタクシー会社への就職を扱います。

原則の年齢・免許経歴と、特例制度

区分主な条件確認すること
原則21歳以上で、普通免許等の対象免許の経歴が通算3年以上など免許停止期間は経歴から除かれること、現在の保有免許
特例教習を利用必要な受験資格特例教習を修了することにより、19歳以上・普通免許等の経歴1年以上で受験できる制度年齢・経験年数に応じた教習、実施教習所、費用と日程

他の二種免許を保有する場合など、経歴により扱いは異なります。受験条件と、会社が定める採用条件は同じではありません。免許取得日、停止歴、現在の免許の種類を伝え、運転免許試験場と応募先に確認しましょう。

警察庁:第二種免許等の受験資格の特例 / 警視庁:受験資格

視力・深視力などの適性条件

二種免許では視力や深視力などの適性が確認されます。例えば視力は両眼0.8以上、各眼0.5以上、深視力は所定の検査で平均誤差2センチメートル以下という基準があります。視力は眼鏡等による矯正も含めて確認します。

聴力について、旧記事の「補聴器は使用できない」という説明は現在の案内と異なります。警視庁では補聴器により補われた聴力を含む基準を案内しています。健康状態や身体機能について心配がある場合は、自分で取得できないと判断せず、運転免許試験場の相談窓口で確認してください。

警視庁:適性試験の合格基準

取得方法・費用と会社の支援

指定自動車教習所で学ぶ方法

学科・技能教習を受け、卒業検定などを経て免許取得を目指す方法です。指定教習所の卒業証明書等がある場合は、免許試験場での技能試験が免除されます。学科試験や適性試験など、必要な手続きは保有免許や受験区分に応じて確認してください。

通学・合宿の別、保有免許、追加教習、予約状況、特例教習の要否によって期間と費用は変わります。「必ず1週間」「一律20万円弱」とはせず、教習所の見積もりと日程を確認しましょう。

免許試験場で直接受験する方法

指定教習所の卒業による技能試験免除を利用せず、免許試験場で受験する方法もあります。試験の予約、必要書類、合格後に必要となる講習などを事前に確認してください。受験の回数によって総費用と期間が変わる場合があります。

手数料は改定や免許証の保有形態等で変わるため、過去の金額ではなく、受験先の公式案内を確認しましょう。

警視庁:運転免許試験の案内

取得支援のある会社に応募する場合

普通免許で応募でき、入社後に二種免許取得を支援する募集もあります。会社が教習所を手配する場合は、先に自分で申し込まず、応募から取得までの順番を確認してください。

  • 教習費・試験料・交通費・宿泊費のどこまで会社が負担するか。
  • 追加教習・再受験が必要な場合の費用負担。
  • 特例教習に対応しているか、その費用と採用条件。
  • 免許取得中と社内研修中の給与、初回給与の支払日。
  • 貸付や返還条件の有無と、その内容。
  • 取得に至らなかった場合の雇用と費用の扱い。

地理試験廃止後も、試験・講習は必要

2024年2月29日の改正により、「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」の地理科目が廃止されました。旧記事にあった地理科目の出題数や過去問対策は、現在の受験案内としては使えません。

東京特定指定地域である特別区・武蔵野市・三鷹市では、タクシー事業に関する法令・安全・接遇の試験が行われています。東京タクシーセンターの案内では45問中36問以上の正解が合格基準で、合格証の有効期限は合格日から2年間です。予約や受験方法は公式案内で確認してください。

東京タクシーセンター:現在の試験案内

地理を覚える必要までなくなったわけではない

地理科目が廃止されても、道路、駅、病院、ホテル、乗り場などを知ることは、安全で円滑な乗務に役立ちます。ナビだけに頼らず、目的地や経路をお客様と確認することも大切です。

東京タクシーセンターでは、新規講習で地理の効果測定を実施する案内や、新人向けの地理基礎研修も掲載しています。応募先の研修で、営業する地域や乗り場のルールを学びましょう。

新規講習の案内 / 新人地理基礎研修

免許取得から乗務までの手続き

二種免許を取得しただけで、すぐに営業運転を始められるとは限りません。地域に応じた講習・試験、運転者登録、運転者証等の手続きと、会社の教育・配属準備を進めます。

  1. 応募・採用条件を確認する:免許経歴、勤務希望、取得支援などを相談します。
  2. 二種免許を取得する:会社・教習所・試験場の案内に従って進めます。
  3. 必要な講習・試験を受ける:営業する地域の制度と、自分の経験に応じた手続きを確認します。
  4. 登録・証票等の準備をする:会社を通じて必要書類や申請の流れを確認します。
  5. 社内教育・配属を経て乗務する:安全運転、接客、車載機器、営業方法などを学びます。

上記は一般的な整理で、順序は会社や本人の保有資格・経験によって異なります。東京特定指定地域の説明を、多摩地域や他の道府県にそのまま当てはめないようにしてください。

免許・運転者登録を失う場合と注意点

「資格を失う」という状態には、免許の効力が停止すること、免許の取消し・失効、運転者登録の取消し・消除などがあります。免許制度と運転者登録制度は別なので、再び乗務するには何が必要かを個別に確認しましょう。

状態主な意味対応
免許停止免許の効力が一定期間停止する停止中は運転しない。会社に報告し、登録への影響も確認する。
免許取消し処分により免許が取り消される再取得の条件や受験できない期間等を試験場で確認する。
免許失効更新せず有効期限を過ぎるなどして効力を失う運転を止め、経過期間・理由に応じた手続きを確認する。
登録取消し・消除運転者としての登録が取り消される、または消される地域の窓口に再登録の可否と必要手続きを確認する。

東京タクシーセンターが案内する登録消除の例

  • 登録取消処分を受けたとき。
  • 40日以上の運転免許停止処分、または運転免許取消処分を受けたとき。
  • 運転者証の返納から2年が経過したとき。
  • 登録消除を申請したとき。
  • 運転免許が失効したとき。

40日未満の免許停止なら乗務できる、という意味ではありません。停止中は運転できません。また、運転者証の返納・退職と、免許そのものの失効は別のことです。

東京タクシーセンターは、消除後の再登録には新規登録と同様の手続きが必要と案内しています。ただし、取消処分等がある場合の登録可否や時期は個別の条件によるため、免許の効力が戻れば自動的に乗務できるとは考えず、会社と窓口に確認してください。

東京タクシーセンター:登録・消除の手続き

特例で取得した方は若年運転者期間にも注意

年齢の特例を利用して取得した場合、本来の取得年齢に達するまでの若年運転者期間に、一定の違反等によって講習の対象になる制度があります。不受講や、その後の違反等によって特例取得免許が取り消される場合もあるため、取得時の説明を確認してください。

警視庁:特例取得後の若年運転者期間

更新期限と安全管理を日頃から確認する

免許の更新期限や条件を管理し、違反・事故・処分などがあった場合は速やかに会社に報告しましょう。体調や服薬について運転に不安がある場合も、自己判断で乗務せず会社や医師等に確認してください。免許の行政処分、運転者登録、会社の就業上の判断は、それぞれ区別して確認する必要があります。

応募前に伝えておきたいこと

  • 免許の種類、取得日、有効期限、AT限定等の条件。
  • 停止・取消し・失効歴と、現在の免許の状態。
  • 二種免許の有無、特例教習の利用を希望するか。
  • 乗務経験と、過去の運転者登録・運転者証の状況。
  • 希望する営業地域、勤務形態、入社時期、寮の希望。

取得・再登録の可否は個別の事情により異なります。事実を正確に伝え、採用会社と公的窓口の案内を受けて進めましょう。

よくある質問

普通免許だけでも応募できますか?

二種免許取得支援のある募集なら応募できる場合があります。保有期間・年齢・免許経歴と、会社の採用条件を確認してください。

地理試験が廃止されたので、試験はありませんか?

地理科目の廃止と、講習・試験全体の廃止は別です。東京特定指定地域では法令・安全・接遇の試験が引き続きあります。二種免許の試験も別に必要です。

地方出身でも東京都内で乗務できますか?

出身地だけで決まるものではありません。必要な免許と登録等の条件を満たし、会社の研修を受けて準備します。地理研修や同乗指導、寮などの支援を確認しましょう。

退職すると二種免許も失いますか?

退職だけで二種免許が失効するわけではありません。ただし、運転者証の返納や、時間の経過による登録消除などは別に確認が必要です。

免許取得支援のある会社について相談する

タクQでは、未経験からの会社選びや、免許取得支援・研修・応募条件についての相談を受け付けています。保有免許と取得時期、希望地域をお知らせください。免許や登録の最終的な可否は、担当する公的窓口で確認します。

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佐藤哲津斗(株式会社しごとウェブ)

執筆者:佐藤 哲津斗(株式会社しごとウェブ 代表取締役)

求職者ファーストの理念を掲げ、タクシー業界専門の求人メディア「タクQ」を企画・運営。 長年の求職者支援の実績と企業調査に基づき、業界の最新情報や転職ノウハウを発信している。 本記事の編集・監修も担当し、正確で信頼性の高いコンテンツ提供に努めている。

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